隅田川花火大会

隅田川花火大会

今年はコロナの影響で中止

本来ならば毎年恒例の花火大会が行われていたはずだが今年は残念ながら中止。

これは隅田川の花火大会だけではないが、この隅田川花火大会の歴史を紐解いてみると、元々は約290年前に遡る。

1732年(享保17年)に江戸で大流行したコレラ感染症で多くの庶民がなくなり、大飢饉も重なって大変な厄年となった。

その翌年(1733年)に当時の8代将軍・徳川吉宗が「犠牲者の慰霊と悪疫退散」を祈願する目的で、両国の川開きの日に合わせて花火を打ち上げたのがルーツとされている。

両国橋夕涼花火見物


今年も見たかった・・・

歴史に詳しい人ならばご存知の方も多かったと思われるが、知らなければ「毎年この時期にやるイベント」のひとつに過ぎない。

しかし本来はこういった意味合いが込められていた花火大会なのである。

今年の中止の理由は花火大会を行うことで「密」が発生してしまうからなのだが、私は敢えて行って欲しかった。

もちろん花火大会としてではなく「慰霊と悪病退散」の意味を込めて、時間とか場所を定めず抜き打ちで花火を打ち上げてもらいたかった。

最近また感染者が増えてきている東京なので「そんなことは来年でも良いだろう!!」と大半の人には言われてしまうのが関の山だが。

両国納涼花火


今は耐える

錦絵を見てみると、今も昔も人は変わらずに花火を楽しんでいる様子が伝わってくる。

当時はコレラや飢饉で身内を失った人が多く居たはずで、現代はコロナで身内を亡くされた方々と気持ちの面では同じなはず。

それでも生きている人々は逞しく生活を営み続けねばならず、どこかで楽しみを見つけ、どこかで痛みを堪えて耐えている。

今も昔も時代は違えど、根本は変わらないのかも知れません。

また、こんな時代が戻って来ることを願いつつ、今はジッと流行が去ることを待つことにしましょう。