病院の待ち時間

病院の待ち時間

病院の待ち時間

私が定期的に通っている病院には「診察の予約」システムが存在している。

当然ながら何月何日の何時頃といった具体的な内容で予約を取る。

しかしこれが全くと言って機能していないのだ。

酷い時は1時間半待ちもあり得る。

例えば11時に予約を取っても、次から次へと私の名前などいっこうに呼ばれやしない。

挙げ句の果てには、私より後に院内へ入って来た患者が先に呼ばれる始末である。

きっと予約時間が私よりも早い人なのだろう。

 

何処かで暇を潰して来たのか、それとも遅れて来た人なのか判らないが、なんとも腑に落ちないイラ立ちを感じ得てしまう。

結果、私の名前が呼ばれるのは、正午を充分に過ぎ去ってからになる。

病院の待ち時間をいかにイライラせずに待つことができるであろう。

本を読んだり、今の時代ならばスマホでネットを見たり、ゲームをしたり、暇を潰すには事欠かない時代にはなったのか。

病院に世話になりながらこう思うのは手前勝手なのだが、不本意に待たされている感が強く、やはり「診察の予約」を入れたにも関わらず、その時間付近で診察を受けられないのは甚だ納得がいかない。

しかしまぁ私が「クレーマー」に成り下がるのには恥ずかしいのもあるが、まずそんな度胸なぞ私は持ち合わせていない。

 

なので敢えて私は「病院での待ち時間」に対して自分に課題を出すようにしている。

なにかひとつで良いので、日頃では決して記憶しないであろう事をネットで検索をして、この言葉だったり事柄であったりを待ち時間を使って記憶しようとしているのである。

さてと今日は何について記憶を増やしてみようか。

そう言えば、終戦記念日に聞く「玉音放送」の「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」に続く言葉ってなんだったっけ。

小林亜星さんが作曲した曲って沢山あるけど「あなたのコンビニファミリーマート」とか「この木なんの木」とか、それ以外に何があったっけ。

桜の季節だけど、開花の基準木の「ソメイヨシノ」の由来とか起源って何だったっけ。

よし!今日は小林亜星さんの事を調べてみよう!

スマホの検索欄に「小林あ・・・」と入力した途端・・・

『紀さ~ん、2番の診察室にお入りくださ~い』

 

少し慌ててスマホをポケットへしまい込み、これからだったのになぁ・・・と、また違った種類のイラ立ちと共に、『失礼しま~す』と愛想笑いをしながら診察室へ入り込む。

 

診察はたった2分程度で終わり、会計を済ませ薬局へ。

薬局でも薬の受け渡しまで30分以上も待たされることがある。

ため息交じりに今の時間を確認しようとポケットからスマホを取り出すと、さっき入力した「小林あ」から勝手に検索されたのか、「小林旭」さんの画像がたくさん画面にあふれていた。

 

病院の待ち時間って、もう少し何とかならないものですかね。