愛しのマイカー

愛しのマイカー

愛しのマイカー

女優の伊藤かずえさんの所有する愛車、シーマをレストアするという話題を見て羨ましくなった。

私は18年前に新車で買った車に今も乗っているが、正直もう家族みたいな感覚になってしまっている為、乗り換えようと思っても、お別れが辛くて踏ん切りがつかない。

車で通勤したり、出掛けるのも車を必ず利用する。

 

この前に気付いたことがある。

この18年間で、他の誰よりも、何よりも共にしている時間が長い存在なのではないかと。

共にしている時間、と言うよりも「側に居てくれている時間」と言った方が正確か。

思えば、仕事で疲れ切っている時も、イライラしている時も、絶望感に浸っている時も、遊びに出掛ける時も、買い物に行く時でも、雨だろうが風だろうが、それらから私を守り、文句も言わず(当たり前だが)事故も無く18年も走り続けてくれている。

仕事帰りの時、駐車場に居る姿を見ると安心する。

何処からの帰りも、無事に帰宅すると「今日もありがとうな、また明日な」と心の中で労いの言葉をかける。

 

飛行機を利用する時、空港の駐車場に停め、車から離れるのが寂しい。

何度も後ろを振り返り「すぐ帰るからな」と心で呟くが、内心、車を誰かにイタズラされないかと、親心のような心配をしてしまう。

そもそも、イタズラされるような立派な車ではないので無用な心配なのだが。

旅先でも空港の駐車場に停めてきた車のことが心配になることがある。

夜、眠る前には必ずといって良いほど、今頃は無事に居てくれているのかと。

旅先でレンタカーに乗っていると、何か申し訳ない気分になったりもする。

空港へ戻ってくると、何よりも早く車に会いたくなり、急ぎ足で駐車場へ向かってしまう。

その姿を見て無事を知り、乗り込んだ時の車内の雰囲気は格別に安心するし、走らせてみるとやはり自分の車が最高だと実感する。

 

しかしさすがに長年も乗っていると、あちらこちらにガタがきているのは18年間この車に乗り続けている私が一番理解している。

長く乗っていたい存在なので、点検は都度ゝ正規ディーラーにお願いしており、メーカーからまだ大丈夫ですとお墨付きはもらってはいるが、人の命と同じで永遠に存在する物は無い。

それでも長く、できれば生涯この車と共に生活していきたいと思っていて、費用があれば、自分の車をレストアしてでも乗り続けていきたいと思っている。

 

そんな中、伊藤かずえさんのシーマの話を見つけ、本当に羨ましく思ったが、噂ではレストアの費用は日産持ちとか。

これはどうやら「日産の好感度アップ」戦略が見え隠れしているようである。

 

それはそれとして、ずっと同じ車に乗り続けたいと思っているオーナーの気持ちは、例え有名人でも一般人でも一緒なのだろう。

だが、こういった話を周囲の方々に話すと、どうも変わり者扱いを受けているような、そんなリアクションをされてしまうのだが、これはこれで価値観の問題なので仕方がない。

愛おしいものは、愛おしいのだ。