地獄の沙汰も金次第
- 2021.05.07
- この世は地獄論
地獄の沙汰も金次第
先月、米経済誌が、2021年版の世界長者番付が発表された。
1位は大手ネット通販会社のアマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏で、4年連続首位で資産総額は19兆4000億円!!!
2位は米電気自動車メーカー、ステラ社の最高経営責任者イーロン・マスク氏と続くが、もう19兆と聞いても一般人の私にはピンと来ない天文学的数字の金額。
それだけの資産を手にしたら、私ならもう一切仕事なんてせず、のんびりと何もしないで暮らしていくに違いない。
そんな考え方だから、お金も私の所には寄ってきてくれないのだろうが。
個人として大金を手にすれば、何か世の中すべて自分の物になるような、そんな錯覚すら抱いてしまうのか。
あらゆる人間よりも、自分は優れているとか浮かれ飛んでしまうのか。
まぁ私が大金持ちになるなど、天地が裂けても有り得ないことなので無駄な空想に終わるが。
と、思った時に頭をよぎった言葉があった。
「地獄の沙汰も金次第」である。
仮に、悪行を重ねた結果この世で財を成し、大成功を納めて人生を終えた後、あの世に行っても大枚をはたいて閻魔様を買収し、悪事を裁かれること無く天国に行くことができるのだろうか。
この世は地獄だと思っている私には、通用しない言葉ではあるが。
お金があれば世の中すべて自分の思い通りになるといった、お金が持つ強力な力を表現した言葉であるが、あまり良い言葉の部類ではない。
古来から日本では、死して最初に「三途の川」を渡ってこの世からあの世へ向かうとされている。
諸説あるが、その時に掛かる橋渡し料として、六文銭を支払わなければならないとし、それように棺桶に小銭を持たせ埋葬された。
あの世に行ってもお金の価値観に振り回されることになるのか。
それを言ったら古来、お金という価値観もない時代で生きてきた多くの方々は、死後どうしていたのだろう、という謎が生まれる。
こればかりは死んでみなければ分からないが、この世で得た「物」に関しては、この世でしか使えない物であるような、そんな気がします。
「お金はあの世には持って行けない」
そう思わないと、人生そのものが虚しくなりそうな、そんなお金に振り回されている世の中である。
いや、それにしても羨ましい。
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