論客

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論客

新型コロナウイルス感染症が蔓延り、ワクチン接種が遅れに遅れているなかでの東京オリンピックの開催の是非。

後手後手の対応であったり行き当たりばったりの政策で、コロナ対策も経済対策も両方とも失敗している首相をはじめとする政府への不信感のあらわれ。

今の世の中は混迷を極めている。

 

TVニュースを見たり新聞を読みながら、何度も想像をすることがある。

元新聞記者であり、論客と言われたジャーナリスト「筑紫哲也さん」と「岸井成格さん」が今の日本を見て何を語るのかと。

既にこの世を去っているお二人のコメントを聞いてみたい。

あの独特の切り口での理論は、いま現時点でTVニュースやワイドショーに出演しているコメンテーターには到底及ばない、極めて説得力のある、且つ嫌味の無い清々しさを併せ持った言葉だった。

そんな考え方があるのかと何度も感服させられたのと同時に、そう考えれば自分も世の中も変わっていくかもと、期待と共感を植え付けてくれるような、そんな存在であった。

 

今のコメンテーターは若手はもちろん、ある程度歳を重ねている方たちも、言っていることはごもっともなのだが、自分の考え方が絶対に正しいという独善的な言い分ばかりで、なかなか共感を持てるコメントは聞けない。

筑紫さんと岸井さんは天の隙間から今の日本をのぞき見下ろして、いったい何を語り合っているのだろうか。

当然、私のような凡人には想像もつかない議論をしているに違いない。

 

またあのスッと腑に落ちるような、あの感覚を思い出させてくれる論客は現れないのだろうか。